タイ

【タイ一人旅】バンコクからアユタヤへ わずか2時間の短い電車旅

  バンコクからアユタヤまでは約60キロで、電車やバスで気軽に行ける距離。早朝にバンコクを発ち、アユタヤ観光をする日帰りも可能だが、時間を持て余していたこともありアユタヤに3日間滞在することにした。

  カオサンロードからローカルバスを乗ってフアランポーン駅まで向った。3週間もの間、カオサンロード周辺から出たことがなかったので、バスの車窓から見るバンコクの雑多とした街並みが新鮮に映った。

  駅に着くとプラットフォームの入口では散髪が行われていた。フアランポーン駅はバンコクの長距離列車の駅で、人が絶えず集まってくるせいか並んで待っている人までいた。なぜこれから電車に乗って移動するのに、散髪をするのか疑問が浮かぶ。普段忙しなく生活しており散髪する時間がないのか。電車が出発するまでに時間が余っているから散髪をするのか。あるいは故郷に行くのにスッキリした気分で帰りたいのか。お店ではなく、黙っていても人が集まる駅のプラットホームで散髪する発想が商売上手だ。

  駅の構内に入ると、古いドーム型の天井になっており、タイの建築というよりも欧米的な建築様式だった。電車のチケットを買うのに窓口に並んでいると、後ろから女性に声をかけられた。タイ語でひっきりなしに話しかけてくるが、何を言っているのか全くわからないので無視していると、女性が私の顔を覗き込んできた。

  女性の正体は身長145センチくらいの小柄で皺だらけのおばあちゃん。私と目が合うと、おばあちゃんは驚いた表情を浮かべた後に、何度も頭を下げて謝ってきた。おばあちゃんは一生懸命謝っていたが、なんで謝ってくるのかわからない。タイ人だと思って話しかけた相手が、たまたま外国人で言葉が理解できなかっただけだ。むしろ謝るなら、話しかけられても言葉が理解できずに無視をしていた私の方である。

  後ろ姿ではタイ人も日本人も見分けをつけるのは難しいようだ。同じ黒髪で似たような身長と体格。間違えることもある。私はおばあちゃんに向かって微笑んだ。ここは微笑みの国タイ。微笑んでいれば大抵のことはやりすごせるだろう。案の定、おばあちゃんも微笑み返してくれた。

  アユタヤ行きのチケットをわずか15バーツで購入した後は、コンビニに行って飲み物と食べ物を購入した。タイに来て毎回不思議に思っていたのが、コンビニでペットボトルを購入すると、なぜかストローを付けてくれる。私が訪れた国や生活をしていた国では、ペットボトルを購入してもストローを付けてくれる国はなかった。というか、それが普通だと思っていた。バンコクでは、毎回ペットボトルを購入するたびに「ストローいりません。」と断っていた。ペットボトルのキャップを開けて、口を付けて飲む。ストローが無くても何不自由なく飲むことができるからだ。

  電車の座席がどこだかわからなかったので、駅員に尋ねてみると自由席のようで好きなところに座っていいと言った。好きなところに座れるのは嬉しいが、車両が長くてどこに乗ろうか悩んでしまう。車両によって備え付けてある椅子が違い、木でできたベンチシートだったり、向かい合っているシートがあったり、私は無難に普通の椅子に座ることにした。

  電車が走り出して30分くらい経っただろうか。窓から入ってくる涼しい風にあたり、車窓の景色を眺め電車旅に浸っていると、斜め前の席に座る60代くらいの男性がペットボトルにストローを突っ込んでちびちびジュースを飲んでいるのが目に止まった。その姿をじっくりと見て観察をしていると、なぜペットボトルにストローを挿して飲むのか少しだけ理解できた気がした。

  ペットボトルに口を付けて飲むと、飲み口が大きいせいかついつい飲みすぎてしまう。ストローで飲むと飲み口が小さいせいか、一回に飲む量が少なくなる。タイは暑いせいか、水分を多めに取ってしまうことが度々あった。水分を摂りすぎないためにストローを使うのかもしれない。 実際、私が駅で購入したペットボトルはまだ走り出して30分ほどなのにすでに半分程減っている。

  ストローについてあれこれ考えを巡らせていると、電車はアユタヤ駅に到着した。バンコクからアユタヤまでの電車旅はあっという間だった。

  アユタヤ駅に着いたのは、午後2時を過ぎていた。太陽の位置が頭上にあり、歩いても歩いても日陰がなかった。太陽の光を直に浴びているせいか暑くて暑くてしかたがない。13キロのバックパックと7キロのサブバックを背負い歩いていると、髪の毛はシャワーを浴びた直後のように汗で濡れていた。髪の毛を手で絞ると、汗がぽたぽたとたれてくる。まだ15分ほどしか歩いていないのに、すでにへばり始めていた。バックパックの重さが肩にのしかかり、小刻みに休憩しないと暑さでぶっ倒れそうになった。

  ようやく宿に辿り着くと、宿のオーナーは日本が好きなのか、白のTシャツに日本地図がでかでかとプリントされ、地図の下にJAPANと書いてあるTシャツを着ていた。今日の宿泊客が日本人で歓迎する意味でシャツを着ていたのかもしれない。が、そんなことよりも気になることがある。チェックインを済ませると、早速宿のWIFIに繋いだ。そしてアユタヤの気温を調べると、アユタヤ38度と表示されていた。

     どうりで異常に汗をかいたわけだ。

 

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