ウクライナ

【ウクライナ旅行記】リヴィウからキエフへ 旅の移動トラブルはつきものだ 1日目

      ウクライナ滞在中、宿で仲良くなったアゼルバイジャン人とフランス人にオススメされたオデッサ。オデッサは南部にある黒海に面したウクライナきってのリゾート地で、パーティータウンとしても知られている。オデッサにはヌーディストビーチがあるが、まだ裸になってビーチに寝そべるには時期が早いのが悔やまれる。

     リヴィウからオデッサまで電車で向かおうと思ったが、駅で電車の値段を聞くと「1500フリヴニャのビジネスクラスしか席が空いてない。」と言われた。リヴィウからオデッサまで電車で約11時間。距離があるとはいえ、結構な値段だ。

リヴィウからキエフへ

     リヴィウの街外れにあるセントラルバス乗り場に行くと、キエフ行きのバスを探したものの、バスは30分前に出てしまったようだ。チケットオフィスで、どうやってキエフまで行けばいいのか尋ねてみると、一度リヴネに向かい、リヴネからキエフまで乗り合いバンで向かうのが早いと教えてくれた。

     リヴネ行きのバスを見つけると、バスの中で運転手が暇そうに時間を持て余していた。バスが出発するまでバックパックを預かって貰えるか尋ねてみると、運転手はトランクを開けてくれた。バックパックをトランクに入れると、バスの値段を尋ねた。英語は通じなかったものの、紙に150フリヴニャと値段を書いてくれた。150フリヴニャ。時間はかかるものの、電車で向かうよりもバスで向かうほうがだいぶ安く済みそうだ。

     出発時間が迫ってくると、バス乗り場の前に老夫婦がやってきた。手にはバスのチケットが握られている。ふと、私はバスのチケットを持っていないことに気づいた。運転手に直に支払うと思い込んでいたせいか、バスのチケットを購入していない。

     バスの出発時間まで約5分。チケットオフィスに向かうと、リヴネ行きのチケットを一枚買いたいと言った。すると女性は、「197フリヴニャ」と答えた。

     運転手の話では150フリヴニャと言っていたが、197フリヴニャになっている。おそらくバスの値段は150フリヴニャだが、197フリヴニャの値段にはターミナル使用料が加わっているのだろう。出発時間が迫っていたので、197フリヴニャ支払うと、レシートをもらい急いでバス乗り場に戻った。

     バスに乗る前に運転手にレシートを見せると、運転手は首を横に振った。何か言いたげな表情で私を見ると、「わざわざターミナルで買わないで、俺に直接バス代を支払えばいいのに。」みたいな事を言った。

     どうやら150フリヴニャ運転手に支払えばバスに乗せてくれたようだ。同じバスに乗る老夫婦がチケットを持っていたせいか、チケットが必要だと思ってしまった。バスは乗客3人を乗せるとリヴィウを離れた。

長距離バスというより巡行ローカルバス

     リヴィウからリヴネの間にある小さな町を転々としていくから思った以上に時間がかかりそうだ。リヴネ行きの長距離バスというよりも、リヴネ行きの長距離巡行バス。小さな町で乗客を拾い、次の小さな町で乗客を降ろす。その繰り返しが転々とある町ごとに続いていく。バスの車内は満席になったり、がらがらになったりしながら、のんびりと田舎道を進んでいく。

     バスは2時間くらい進んだだろうか。名前もわからない小さな田舎町で、瞬きをするのを忘れるくらいの美人がバスに乗ってきた。田舎の草原が続く風景にそぐわない派手なファッション。ピンクの明るいブレザーに白のスキニーパンツの色合いが鮮やかで、車窓の風景に飽き眠気に襲われていた私の目を一瞬で覚めさせた。足元はヒールの高い歩きにくそうなハイヒールを履いている。体型は胸は小さいものの無駄な贅肉がついていないスレンダー。田舎でくすぶってないで都会に行き、モデルになれば引く手数多は間違いないウクライナ美女である。

 そんな美女が座る席がなく立っていると、私の隣に座っていた20代前半くらいの若い男は、見るに見かけてすぐに女性に席を譲った。女性は男に「スパシーバ」と優しく声をかけると、男は照れくさそうにバスの後ろの方へ消えていった。

      バスは15分くらい走った場所にある小さなバスターミナルに着くと、美しき女性は降りて行ってしまった。

     リヴィウを経って4時間半でリヴネについた。乗り合いバンでリヴネからリヴィウまでは約3時間だったが、小さな町を転々としていたので1時間半ほど余計に時間がかかった。

     リヴネのバスターミナルを歩いていると、乗り合いバンの客引きが「キエフまで行くのか?」と英語で聞いてきた。キエフまで行きたいことを伝え、何時に出発するか尋ねてみると「19時発」と答えたので、料金230フリヴニャを支払うと席を確保した。

     始めはがらがらだった車内は、出発時間が迫ってくると、席は全て埋まってしまった。

     19時、車は予定時刻通りにリヴネを発った。リヴネからキエフまでは約4時間。23時にはキエフに着いているだろう。ホステルのチェックインは23時30分に終わってしまうと書いてあるので、その時間にはギリギリ間に合いそうだ。

     車は2時間ほど走ったところで、トイレ休憩を兼ねて10分くらいガソリンスタンドで休憩を挟んだ。 

     運転手は休憩中、終始誰かと電話で話し混んでいた。何を話してるかはわからないが、休憩が終わり車を運転しているにもかかわらず、まだ誰かと通話をしている。スマートフォンを握りしめて通話をしているからだろうか、車は60キロほどしか出ていなく、次々と後続車に抜かれていく。

     車を運転しながら電話なんかしてないで、急いで欲しい。この調子だとキエフに着くのは深夜になってしまう。いつ通話が終わるのだろうと考えていると、ついに運転手は路肩に車を止めてハザードをたき、車から降りてしまった。

     10分くらい車内で待っていただろうか。運転手は車に戻ってくると、ドアを開けた。ウクライナ語で長々と何かを説明しているが、私にはさっぱりわからない。しかし、周りに座っている乗客のため息の漏れかた、そして疲れ切った表情を見ていると、よくない事情が起こったのは察することができた。

     私は何があったのか乗客に英語で話しかけてみると、後ろの方に座っていた男が「車が故障したから、キエフには行けないみたいだ。」と英語で説明してくれた。

     車内で待っていても仕方がないので、外にタバコを吸いに出ることにした。

     外でタバコをふかしていると、運転手はトランクから修理道具を引っ張り出していた。そして工具を持ち車の前に行くと、ボンネットを開け車の修理を始めた。乗客の一人は車に詳しいのか、ああでもない、こうでもないと言いながら運転手が修理をしている横でわめいている。しまいには運転手に変わって車を修理し始めた。

     30分くらい修理をしているのを見ていただろうか。修理をしていた乗客はバタンとボンネットを突然閉めた。すると、「キエフに行くぞ。タバコ吸ってないで早く車に乗れ。」みたいなことを私に向かって言った。まだ吸い始めたばかりの長いタバコをもみ消すと、すぐに車に乗り込んだ。

    車内に戻ると、 修理をしていた乗客は饒舌に何かについて話をしていた。話が終わると、車内には大きな拍手が響き渡る。理由は分からないが、私も回りの人々に合わせるように拍手をした。

    拍手が鳴り止むと、ウクライナ語から英語に通訳してくれた男が車が壊れた原因、そして車を応急処置で修理したと説明してくれた。

     運転手はエンジンをかけると、蔓延の笑みで車を走らせる。さっきまでは後続車に抜かれながら走行していたが、今度はどんどん前を走っている車を抜き去りキエフに向かった。

 結局、キエフに着いたのは深夜0時を過ぎていた。ずっと車内で心配していたホステルのチェックイン時刻。ホステルにチェックインできなかったら野宿になってしまうと思いながら、恐る恐るホステルに向かった。ホステルのチャイムを鳴らすと、真夜中のせいか誰もでてこない。こんな時間だから仕方がないと、ダメ元で再びチャイムを鳴らすと、ホステルの扉が開き中に入ることができた。

     無事にチェックインを済ませると、すぐにベットに潜り込んだ。何をしていたわけでもなく、ただバスと車に乗っていただけだったが、12時間の長い移動で疲れていたのかすぐに眠ってしまった。

      同日、キエフからオデッサに向かうバスで、再びトラブルに遭うとはこの時は考えもしなかった。

 

【ウクライナ旅行記】キエフからオデッサへ 旅の移動トラブルはつきものだ 2日目

 

 

 

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