インド

【インド一人旅】ベンガルの大都市コルカタ 安宿の集まるサダルストリートで宿探し  

  東インドの大都市コルカタと呼ばれるだけあって、デリー以来の大都会だった。コルカタはインド第3の人口を抱える都市であり、人の多さがこれまで以上に目につく。

  ハウラー駅のプラットホームに降りると、大きな荷物を抱えた多くの人々が忙しなく行き交っており、ここが東インドの主要駅になっているのが伺える。人混みを掻き分けながら駅の出口を目指していると、駅内でよく話しかけてくるオートリキシャの呼び込みがいないことに気づいた。呼び込みが声をかけてくるたびにうんざりしていたが、彼らがいないと街に歓迎されていないようで少し寂しく感じる。どうやらコルカタは今まで通過してきたデリー、アーグラ、バラナシ、ブッダガヤとは少し違うような感じがした。

  人混みにもみくちゃにされながら駅を出ると、目の前には黄色いアンバサダーという車が20〜30台止まっているタクシー乗り場になっていた。チケット売り場の窓口でサダルストリートに行きたいことを伝えると、「130ルピー」だと言った。窓口の横には行き先エリアごとに値段が表示されている紙が貼ってある。正規の値段なので交渉しないで乗れるのが楽だった。130ルピーを支払うとレシートを貰い、指定された番号のタクシーに乗り込んだ。

  コルカタに来たら是非乗りたいと思っていたアンバサダー。まさか着いた早々に乗れるとは思ってもいなかった。アンバサダーという車は、1958年から2014年まで生産されていたインドの国民車である。丸みを帯びたデザインが特徴的で愛嬌がある。

  タクシーに乗り込んだ後にドアを閉めると、運転手は「ドアがちゃんとしまってない。半ドアだよ」と言った。この車の正式な年式はわからないが、古い車だけあって軽くドアを閉めただけではうまく閉まらなかった。再びドアを開けると、勢いよくドアを閉めた。ガチャンという鈍い金属音が鳴り響く。その音を聞いて、運転手は無言で首を横に傾けた。今度はうまく閉まったようだ。運転手はエンジンをかけると、車を走らせタクシー乗り場を後にした。  10分も走ると渋滞に巻き込まれた。ゆっくりと進む車の中から外の様子を眺めていると、今まで通過してきたインドの風景とはどこか違う感じがした。路上では露店がビッシリと並び、雑多な感じは相変わらずだが、都会なだけあってビジネスマン風の身だしなみを整えた人を多く見かけた。

サダルストリートで宿探し

  タクシーを降りてサダルストリートを歩いていると、背の低いひょろりとした中年の男が話しかけてきた。「ここには何日滞在するつもりだ?宿の予約はしているのか?よかったら良い宿紹介するよ。」宿の予約はしてなかったが、ネットで評判の良い宿を見つけていたので男の誘いを断った。再び歩き出して10メートルくらい進むと、別の宿の呼び込みらしきふくよかな男が話しかけてきた。「今日泊まる宿はあるのか?」「予約はしてないが、ギャラクシーホテルに泊まろうと思って向かっている。」「あそこ人気あるからな。空きがあるといいが・・・もし満室だったら宿を紹介するよ」

  目当ての宿のに着くと「今日、1泊したいんですが部屋空いてますか?」と尋ねてみたが、満室で空きがないと言われた。サダルストリート周辺では価格が安く、評判が良いだけあって予約なしで泊まることができなかった。

  サダルストリートに戻り歩いていると、ふくよかな男が再び現れ話しかけてきた。「宿紹介するよ。予算は?」「500ルピーくらいのシングルルームを探している。」「その値段で探すのは難しい。」

  デリー、アーグラ、バラナシ、ブッタガヤなどで宿泊していた料金を言ってみたが、500ルピーではシングルルームはないようだ。男の話では、ここ2年前くらいからバングラデシュ人が増え始め、サダルストリートの宿代が上がったと言っていた。「昔だったらその値段でも泊まれたが、今は安くても700ルピーくらいするよ。」と教えてくれた。確かにネットで探してみても、コルカタ中心地の値段はどこも高く感じる。空港付近まで行くと、500ルピーくらいでもあるが、空港からコルカタ中心地まで距離があり便が悪い。

  私は自力で宿を探すことにした。5件くらい安宿を回ってみたが、どこも満室だったり外国人お断りだった。空き部屋があったとしても、インドの安宿にしては高額の1000ルピー以上と予算オーバーだった。どこの国でも共通だが、値段が安く良質な宿からどんどん埋まっていく。宿探しをしていると、いつの間にか街灯に明かりが点き始めていた

       手頃な宿が見つからずに疲れだけが溜まっていった。多少高くても、空きがあったら次で決めようとサダルストリート沿いにある宿に入った。値段を尋ねてみると、「シングルルーム1泊300ルピーの部屋なら空いている。」と言った。何件も回ってみたが、300ルピーという破格のシングルルームはどこにもなかったし、その部屋のみ空いているのが妙に気になった。いったいどんな部屋なのか興味がわいたので、部屋を見せてもらうことにした。

  鍵をもらい部屋の扉を開けてみると、この部屋なら空いていて当然だなと思った。ベットとテーブルが置いてあるだけのシンプルな部屋。横幅は2メートルもなく、荷物を置くと足の踏み場がなくなるほど狭くなる。しかし、必要最低限の物は揃っている。1泊だけなら泊まってもいいと思った。外は暗くなり始めているし、再び重いバックパックを背負って、あてもなく宿を探す気力がない。受付に戻ると1泊分の料金300ルピー支払った。

  まさか宿探しに数時間もかかるとは思わなかった。ことの始まりは、ホテル予約サイトで予約をしていたホテルから一通のメールが届いたのが始まりだ。メールの内容を読んでみると、「6時間以内に5日分の宿泊費を支払わないと、あなたの予約はキャンセルされます。」と書かれていた。私の使っているサイトはホテルに着いた時に支払うようになっている。前払いしないとキャンセルするとメールが来たのは、1年半のホステル、ゲストハウス、ホテル生活の中で初めての経験だ。

  仕方がなくホテルのサイトで支払いをしようとしたが、エラーが出て支払うことができなかった。時間を置いて再び支払おうと思ったが、エラーが出て支払うことができない。6時間後、「あなたの予約はキャンセルされました」というメールが届いたので、安宿の集まるサダルストリートに行き宿を探す羽目になった。

  滞在日数が5日ということもあり、割引が効いたのでグレードの高いホテルに泊まる予定だった。しかし、予約は勝手にキャンセルされ、まさか物置のような部屋に泊まるとことになるとわ。

  実際に1泊してみると、意外に居心地が良かった。当初は1泊だけならと思っていたが、便の良さと居心地の良さに惹かれて滞在日数を3日間伸ばすことになった。

 

 

 

 

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