タイ

【タイ一人旅】カオサンロードで水掛け祭り ソンクラーンに初参戦

  水掛け祭り最終日、この日の気温は35度まで上昇した。湿度が高いせいか、体感温度は42度と表示されている。室内の冷房の効いた部屋にいると快適だが、部屋を出て5分もすると動かずにいるのに体が汗ばんでくるほど暑い。

  ホステルの共有ラウンジでタバコをふかしていると、ミャンマーから出稼ぎに来ている従業員が話しかけてきた。「ソンクラーンに行きましたか?ミャンマーにも同じ祭りがあるんですが、仕事が終わったらタイとの違いを見に行ってきます。」

  ソンクラーンという祭りについて調べてみると、タイにおける旧正月で、現在は政府によって4月13日から15日まで祝日になっている。タイ以外ではミャンマー、ラオス、カンボジアでも行われるようだ。

  ホステル付近では、2日前から祝日の雰囲気が流れていた。食事のたびに街をぶらぶらと歩いていると、シャッターが閉まっている店が多く、お気に入りの屋台もやっていなかった。ホステル前では、午前中から自宅の前で宴会をしている家族が数組いた。昼間から酒を飲んでうだうだしており、夕方前だというのに既に酔いつぶれ路上で寝てる人もいた。  ソンクラーンという名前は知らなかったが、日本語で検索をしてみると水掛け祭りとも書かれている。「水掛け祭り」という分かりやすい言葉が妙に心に突き刺さった。4月の暑いバンコクでは毎日水をかぶりたい気分で過ごしていたからだ。

       水掛け祭りの画像を検索をしてみると、水鉄砲で水の掛け合いをしていたり、バケツの水をかけられたり、なんだか楽しそうな写真がスクリーンいっぱいに埋め尽くされた。

        従業員にどこで行われているのか聞いてみると、滞在しているホステルから一番近いのはカオサンロードと教えてくれた。バンコクの様々な場所で行われているようだが、近場のカオサンロードに向かうことにした。

   ホステル沿いの通りを歩いていると、普段はバイクや車が忙しなく行き交っているのに、道路の真ん中を歩いても問題ないほど交通量が減っていた。バンコクに来て1週間、活気のある下町風景ばかりを目にしていたが、それとは対照的に、眠っているほど静かな町並みを歩くのも悪くなかった。

   移り変わりしない通りの景色に飽きると、細い民家の路地を抜けて川岸の歩道を歩く。川岸の住宅は築30年以上が経過していそうな木造建築が連なってる。家の前では裸になった親父がお酒を飲んでぼんやりと川を眺めている。この日は水上タクシーも運休のようで川岸も静かだった。

      カオサンロードに向かうまでは、歩いている人をあまり見かけなかった。本当に水掛け祭りが行われているのか不安になるほど街はガランとしていた

   しかし、大通りに出て100メートルも歩くと不安は一気に吹っ飛んだ。水鉄砲を持った人たちが増え始め、同じ方角へ向かって歩いている。カオサンロード付近になると、いったいどこからか集まって来たのだろうと思うほど人、人、人が溢れかえっていた。その人混みをかき分け前へ進んでいくと、入口が遠目に見えた。入口付近では水鉄砲、財布やスマートフォンなどを入れる防水袋が売っており、その中でも防水袋が飛ぶように売れていた。

      なんとか入口に着くものの、人混みでなかなか前に進むことができない。動けずにその場で立ち尽くしていると、四方向から水が飛びかい始めた。即に汗だくだったので、水がかかると気持ちが良い。「水掛け祭り最高だ。」と思いながら、周りで水を掛け合う人々を眺めていると、バケツいっぱいに入った水が頭上を飛び交った。まだ入り口付近だというのに、既に全身がビッショリと濡れていた。

        炎天下の中を歩いてきたせいか、バケツの中に氷が入った冷水をぶっかけられるとヒンヤリとして爽快だった。通行人に水をかけているおばちゃんに、「冷水をかけて欲しい。」と自ら志願すると、バケツ一杯に入った冷水を頭の上からかけてくれた。顔の水気を手で払うと、後ろから不意打ちで冷たい水をかけられ身震いした。振り返ってみると、バケツを持ったイタズラ好きそうな若者が微笑んでいた。

  どの通りも人が多かったが、その中でもカオサンロードは最も人が集まり賑わっていた。あまりの人の多さでなかなか前に進めずにいると、後ろからグイグイと背中を押され始めた。私も前に進んでいきたいが、急に目の前で水鉄砲の撃ち合いが始まったり、顔に白い泥のようなものを塗られたり、流れに身を任せて進むしかなかった。

     DJブースの前では爆音でダンスミュージックが流れており、酒の入った瓶を持ちながら笑顔を撒き散らしている人たちが大勢いた。

  水掛祭りの雰囲気を楽しんだあとは、ホステルに戻ることにした。カオサンロードから徒歩で約15分ほどかかるが、炎天下の中を歩いていると、全身ビッショリと濡れていた衣類が早くも乾き始めていた。案の定、ホステルに着くと、濡れていたシャツはすっかりと乾いており、いかに4月のバンコクが暑いのかわかった。

夕方から夜の水掛け祭り

  最終日ということもあり、夕方もカオサンロードに行くことにした。カオサンロード付近に着くと、昼間以上に人が集まっており、カオスな状態へと変貌を遂げていた。満員電車以上の密集度で、前後左右にいる人の体が密着して身動きすら取れなくなる。少しでも隙間が空くと、そこへ入り込んでくる人、人、人。遠慮なんてしていたら前に進めない状態で、パーソナルスぺースが奪われ居心地が悪くなった。おまけに衣類に染み付いた汗の匂いや、人々の熱気でムワットしており気分が悪くなってくる。待っていても前に進む気配がないので、奥に行くのを諦め戻ることにした。

  帰り道は、通りを走るバイクへめがけて水掛けが行われていた。その光景を眺めていると、これから絶頂を迎えるようにも見えたし、場所によっては終わりを迎えるような雰囲気でもあった。

  ソンクラーンに初めて参加してみて、一番気になったのはタイ全国で使用した3日間の水量である。天文学的数量なのは理解できるが、ネットで調べてみてもどのくらいの量が使用されているのかわからなかった。

  もう一つ気になったのが、毎年出る事故の件数。英語版ウィキペディアによると、2018年はアクシデント3724件、死者418人、怪我3984人という統計が出ていた。幸いにも私はトラブルに巻き込まれることもなければ、トラブルを目撃することもなかった。

 

 

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