インド

【インド一人旅】アグラからバラナシへ インドの電車移動は予定通りに進まない

     ヒンドゥー教の聖地バラナシに着いたのは、到着予定時刻を大幅に超える7時間遅れだった。アグラから約500キロ程度の短い移動距離にもかかわらず、18時間という途方もない時間がかかる。電車の中に閉じ込められ、「インドに長く滞在するのは無理だな」という言葉が何度も浮かんだ。

     始めの数時間は予想以上に遅れていることに苛立っていたが、次第に怒りの感情は消え失せ諦めの気持ちが勝る。バラナシ駅に着く頃には、精神と肉体はすっかりくたびれていた。

     プラットホームを歩いて出口の方へ向かっていると、「どこまで行くんだ?」とオートリキシャの呼び込みの声がかかった。私が疲労していることなどおかまいしで、断っても断っても次々と新しい呼び込みが現れる。駅の外に出るまでに何度も「どこまで行くんだ?」と言う言葉を聞いただろうか。次第に声をだして断るのも面倒になっていった。

     駅を出てると、呼び込みの奴らが集まって来る前にオートリキシャ乗り場に移動した。リキシャ乗り場では、オフィシャルプライスが紙に書かれているのでぼったくられることはない。しかし、入り口にいる男に宿の住所を見せても、場所がわからないから行けないと断られた。アプリを開いて地図を見せるも、じーっと地図を見るばかりで正確な場所がわからないらしい。一刻も早く宿に行ってくつろぎたかったので、歩くのを覚悟して宿の近くまで行ってもらうことにした。

     アグラを出て18時間30分後にようやく宿に着いた。予定では午前中にバラナシに着いて、今頃ガンガーのガートを散歩しているはずだった。

     宿のオーナーとインド鉄道について話していると、「アグラからバラナシはよく遅れるルートだよ」と教えてくれた。私は「それでも7時間も遅れるなんてありえない。18時間も電車で過ごすとは思わなかった」と言ってみたが「インドではよくあることだ。」あっさりと片付けられてしまった。

     ここは交通機関が遅れることで名高いインドである。予定通りに事が進むと思っていた私が愚か者だった。オーナーのインド鉄道に対する諦め感が妙に達観していた。     アグラを21:30分に出発してバラナシに着いた時は14:30分を過ぎていた。予定ではアグラ20:30分、バラナシ8:50分着の予定だったが、電車は走っては止まり、止まっては走ることを数え切れないほど繰り返した。少し大袈裟かもしれないが、走っているよりも止まっている時間の方が長かった気がする。たった500キロの短い移動距離を18時間もかけて移動するのは、インドならではの経験だった。

 

 

 

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