オーストリア

ヴィヴィアン・マイヤーの個展に行ってきた【オーストリア旅行記】

     ストリートアートを見に行く途中、非常に興味深いフライヤーが目に止まった。ライカがスポンサーになっているウィーンの写真美術館でヴィヴィアン・マイヤーの個展が開催されているのを偶然にも発見してしまった。

     話は4年くらい遡る。ヴィヴィアン・マイヤーの名前を知ったのは当時住んでいたオークランドだった。アメリカ人の友人から「ヴィヴィアン・マイヤー知ってるか?」と聞かれたが、私は知らないと答えた。「それはもったいない。グーグルで調べてみてよ。」と画像検索をかけて調べてみたのがきっかけである。

     ヴィヴィアン・マイヤーに限らず、ロバート・フランクの「アメリカ」、ジャック・ケルアックの「路上」など、1950年代には名作が多い。いわいるビート世代の人たちが活動していた時代で、個性的な作家が多かった。

    ケルアックの「路上」は50年が過ぎた今でも読まれている作品だし、ロバート・フランクの「アメリカ」も名作として語りつがれている。

 気になって1950年代の作品について調べてみると、ヘミングウェイの「老人と海」は1952年に出版しているし、ウイリアムズ・バロウズの「ジャンキー」は1952年。作品は世に出ていないものの、私の敬愛するチャールズ・ブコウスキー先生がちょうど郵便局にお勤めになっていた。

 そんな時代にひっそりとニューヨークやシカゴで写真を撮っていたヴィヴィアン・マイヤー。まさかウィーンで見る機会があるなんて思いもしなかった。ヴィヴィアン・マイヤーの作品が見れるだけで、ウィーンに来た甲斐があった。

 入り口の前には展覧会の雰囲気を出すためか、1950年代のピカピカに磨かれたシボレー「インパラ」が止まっていた。見てるぶんにはイカした車だが、インパラに乗っていた複数の知人は、口を揃えて同じことを言う。「維持費でものすごくお金がかかる。お金をどぶに捨てるもんだし、経済的に「好き!」だけじゃ乗れない車だよ。」

 詳しいくは聞いてないが、60年以上も前の車なので壊れた部品のパーツを探すのが大変だったり、わざわざアメリカから取り寄せたりと、手間とお金が非常にかかると言っていた。

 階段を上がり2階に行くと、入場料金8ユーロを支払い展示室に入った。展示室の横では、ライカなどのクラッシックカメラや、中判カメラ、大判カメラなどがディスプレーの中に多数展示されている。

 私が行ったときは、別の場所で観光をしていたので閉まる30分前とゆっくりと見る暇がなかったのが悔やまれる。時間がなかったので、館内の写真を一枚も撮ることはなく自分の目で堪能するのにとどめた。

 展示の様子は Vivian Maier exhibition Vienna で検索すると出てきます。

ヴィヴィアン・マイヤー

     2眼レフカメラで撮影していたからだろうが、お腹辺りから映し出された街の様子や視点が興味深かった。撮影された人々はカメラの存在に気づいていないことが多く、被写体は自然体に写っている。1950〜60年代のアメリカの日常風景。とくに「あっ」と驚くような光景はないものの、当時の街の様子や人々の様子を覗き見れるのは今となっては貴重な記録だと思った。

     鏡に反射した無表情のセルフポートレイトが多く展示されているのも興味深かった。視点が独自というか、見たことがない構図の作品が多く、一点一点見ていても飽きることなく最後まで楽しめた。

    今となっては2度と戻ることができない半世紀前の日常風景。そこに写っている人々の表情は、現代人よりも少しだけ穏やかな気がした。

 

 

 

 

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